屋根材には瓦以外にも種類がありますが、今日は瓦以外の屋根仕上げ材で、主に古民家(伝統構法)に使用されているものについてご説明致します。
1、草葺き
「茅(かや)」と呼ばれるチガヤ、スゲ、ススキ、などや、稲藁、麦藁を使用した草葺きの屋根は、「茅葺き」や「藁葺き」屋根と呼ばれます。茅や藁などのイネ科の植物は内部が空洞となっており、空気を貯める事で保温性や断熱性に優れ湿気を防ぐ効果があります。また自然素材のため役目を終えたものは最終的に堆肥として利用出来ます。植物系屋根は大掛かりな道具が必要なく、地元の材料が使われるため環境にも優しい屋根材料なのです。先人の知恵はすごいですね。
しかし、茅葺き屋根は現在防火の問題や「茅」を育てて収穫する「茅場(かやば)」の減少や職人の減少で少なくなっております。「茅葺き」は「茅」の根本を下に向けて葺く「真葺き(まふき)」という方法が取られておりますが、これは根本を上に向けて葺く逆葺きより耐久性が高い一方、棟近くで勾配が緩くなるため雨仕舞いの工夫が必要となります。
2、樹皮葺き
木の樹皮を使用した屋根仕上げには檜を使用した「檜皮葺き(ひわだふき)」と杉を使用した「杉皮葺き」があります。「檜皮葺き」は厚み2mm程の樹皮をヒノキの立ち木から剥ぎ取って竹の釘を使い屋根に葺くもので、主に社寺建築などに用いられてます。現在修繕中の京都清水寺がこの樹皮葺きで有名ですね。
檜皮葺きは自由な曲線の屋根に仕上げる事ができますが、熟練の技術と、原料を採取する「原皮師(もとかわし)」と呼ばれる職人が減り現在はあまり見る事が少なくなりました。
杉皮葺きは杉の樹皮を用いるもので社寺建築が檜を使うのに対し民家などは杉皮を用いる事が多くなります。これは量とコストの問題があるかもしれませんね。
3、板葺き
「板葺き(いたぶき)」は木の板で葺く屋根の事で「木端板(こばいた)」と呼ばれる板が用いられます。材料は檜、杉、クリなどが使われますが耐久性が10年程度と低く定期的な葺き替えが必要となります。
九州地方には竹を半分に割って使う竹葺きの屋根なども。薄い板を何枚も重ねて葺く方法を総称して「杮葺き(こけらぶき)」といい厚みにより板の厚みが3mm程度を「杮葺き」、4から6mm程度を「木賊葺き(とくさぶき)」、10mm程度の「栩葺(とちぶき)」と呼びます。「栩葺(とちぶき)」は「大和葺き(やまとぶき)」とも呼ばれます。
4、石置き屋根
こう見ると古民家では茅葺き屋根が有名でその印象も強いですが、木で屋根を仕上げる方法もあることが分かります。
このような仕上げは現在の住宅では現実的とは言えませんが、先人の知恵と技術は相当すごかったことが伺えます。
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