茅葺屋根のメンテナンスってどうやるの?
といっても、現在では茅葺屋根の建物はほとんどなく、伝建築や重要文化財などでしかその姿を見ることが出来ません。
しかしながら、伝統構法の屋根仕上げとして昔は茅葺屋根が主流でした。そのメンテナンスはどうやっていたのか?
ご説明致します。
茅葺き屋根は古民家としての雰囲気を高め、憧れの屋根でもありますが、美しい屋根を保つ為には苦労が伴います。
茅葺き屋根を維持していく方法としては、全面的に葺き替える「丸葺き」、屋根をいくつかに分割して葺き替える「分割葺き」、傷みのひどい部分に少しずつ差して補修する「差茅(さしがや)」の3つの方法があります。
九州や四国地方など温暖な地域は「丸葺き」が多く、東北地方や北信越などの日本海側は「差茅」で維持管理することが多く、その他の地域は「分割葺き」が一般的です。
メンテナンスのサイクルとしては築20年目に差茅、30年目に丸葺きを行います。
茅葺き屋根の葺き替えと聞くと、全部新しい茅で葺き直すと思いがちですが、実際は全使用量の1/4から1/3は古茅が再利用されます。また落とした茅は堆肥として利用します。
日常的なメンテナンスとしては、表面の雑草や苔を取り除くことが「苔落し」と「差茅」になり、「苔落し」は苔の生えている茅面を1寸ぐらいの厚みで削り取り、汚れを落とすと共に腐朽を押さえる効果があります。
「差茅」は腐朽した茅を抜き取り、腐朽が軽い茅は引き出して腐朽部分を刈り取ります。
こう考えると昔の人は建物を維持する為に、常にメンテナンスを欠かさず行っていたことが伺えます。労働量としてはかなりの日数がかかりますが、地域扶助の精神で、「結」という近所の人々がお互いに労働手間で手伝ってあげるという文化がありました。
現在は原則「お金」がかかります。メンテナンスも手間コストがかかり、維持するのにもお金がかかります。
昔はお金を払ってメンテナンスをするわけでなく、労働という手間で返すという文化だった訳です。
よって長年に渡り維持できたのも理解できます。現在のようにお金が無いと屋根のメンテナンスが出来ない・・・
その様なことはなかったということです。
ちなみに、現在茅葺屋根職人は全国でほとんどいないため、必要があれば各地へ出向き工事を行う状況です。
また、茅葺屋根の多くはメンテナンスを行わなくて良いように劣化を考慮して、外側に板金でカバーしている御宅が多いです。内側から見ると茅の様子が分かります。
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